荷物

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    今回の渡欧の帰路はパリ経由で
    羽田空港着。
    なにせシャルルドゴール空港で
    8時間待ちゆえ、私の荷物は
    早々奥に積まれたのか
    なかなか出てこない…。
    毎度思うのですが、
    次はファーストクラスで!
    いえいえ、
    プライベートジェット機で!

    荷物の引き取りを待つ間、
    同便の搭乗客の色々な荷物を
    ジーッと見ていました。

    スーツケースも実に変わりました。
    その中でとても小柄な可愛らしい
    若い女性が荷物を下ろしています。
    一体何だろう???
    特大の分厚いマットレスを
    半分に折り畳み、そこに
    背負えるようなハンドルが付き
    う〜ん、こんな華奢なお嬢さんが?
    こういう時こそ恥のかき捨て!
    彼女に尋ねてみよう!と意を決し
    「大変失礼ですが、このお荷物は
    どうお使いになるのですか?」
    するととても可愛らしいお嬢さん、
    「ロッククライミングの練習用
    マットで、選手は試合に持参する
    のです」とお答えくださいました。
    試合前の練習(リハーサル?)で
    落下に備えた安全マット?
    らしいのです。
    こういう荷物を持ちながら
    転戦するのか…
    よほどの覚悟と
    好きじゃなければ出来ません。
    様々な競技には様々な持ち物が
    あるのですね。

    ピアニストは楽器を携帯しないので
    ほかの音楽家より持ち物は
    比較的少ないからお陰様ですが、
    音楽家だけでなく、仕事によって
    どれだけの荷物移動のための
    パワーが必要なのでしょう。
    スポーツ選手たちも(特に個人技)
    世界を股にかけ「移動する」
    それだけでも大変な気力と体力を
    要しますね。
    そして飛行機さんも実に多種多様な
    荷物を載せて飛んでいるのですね。
    有り難い限りです。
    山季布枝 * 山季の気まぐれブログ * 17:10 * - * - * - -

    ヴェニスのコンサートその2

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      さぁて身支度…
      それこそ日本に居た時点で私に
      「コンサート会場は13世紀の建物。
      とにかく会場は冷えるから…」
      とのアドバイスをいただき
      ○○○テックを用意しました。
      水の中を歩くから冷えてはならぬ
      と、下だけは事前に○○○テックを
      身につけました。
      なのに、なのに、あぁそれなのに!
      私の歩みが遅くなり、ほぼ1時間
      かけて会場入り。
      そして転ばぬよう、
      ビニルを引っかけないよう、
      ドレスやシューズを濡らさぬよう、
      必死に歩いたおかげで
      これまでに経験したことのない
      発汗!
      私の汗は堰を切ったように流れ
      目にも口にも入ります。
      私の汗は引くことを知らぬのか?!
      …会場に着くなり言われたのが
      「お客様はすでに数人お集まり。
      予定通り演奏をしてください。」
      で時計を見ると16時過ぎ…
      あ〜っ、神様!
      大急ぎで着替えようにも汗だくで
      スムーズに着替えられない…
      それにお客様が会場にご着席ゆえ
      もうリハーサルはできない…

      こういう時は開き直ってナンボ(笑)
      小型のカワイのグランドピアノが
      私を待っていました。
      1曲目はJ.S.バッハ。
      音域も広くないので様子は測れる!
      バッハが終わる頃には汗もひき、
      さぁてL.v.ベートーヴェン。
      その頃から身体が冷えてきました。
      汗をかいたのと、
      13世紀の石造りの建物ゆえ
      暖房は穏やかに…(苦笑)
      入ってはいるものの
      ここから山季さんの勝負開始!

      そうそ、開始前に言われたこと。
      開始時間変更と水の影響を鑑み
      「休憩なしでgo!」

      実は
      ヴェニスで初開催となる私が
      ひとりで集客が見込めるとは思えず、
      かなり直前に今回のプログラムを
      一部変更をしました。
      2007年3月26日に私の主催で
      「山季布枝と素敵な仲間たち」を
      紀尾井ホールで開催しました。
      コントラアルト歌手の
      Lica Cecato氏にもご出演いただき
      ビラ=ロボスの歌曲を共演。
      その時は彼女はケルン在住でしたが
      今はヴェニスとサンパウロ、パリを
      拠点に活動しているので、
      ヴェニスに居るなら友情出演を…
      と思い依頼してみました。
      すると、10月から12月は来日中!
      アラララ…残念!
      そうなれば仕方なし!
      腹を括ったところ、彼女から
      ヴェニス公演日だけ
      ヴェニスに戻り賛助出演する!
      との有り難い…お返事。
      しかし、その為に日本とヴェニスを
      わざわざ往復をしていただくのは
      さすがに申し訳ない…
      が、彼女は
      「紀尾井ホールのお礼に…」
      と快諾して、さっさと
      自身でエアチケットを購入。
      そして1曲だけ…と。
      1曲のために?
      さすがにそれは有り得ない!
      申し訳ないので
      ビラ=ロボスの
      ブラジリアン・バッハ
      そして、歌曲3曲。
      合計約15分を共演してくださる
      ことになりました。
      しかし
      ヴェニス在住の彼女といえども
      アックアアルタには勝てない(笑)

      さて私には「休憩無し」、ゆえ
      楽屋に戻って着替えもできないので
      彼女の歌唱の伴奏をしている間、
      少しばかり気持ちを弛めることが
      できました。 彼女のお知り合いも足下の悪い中
      お出かけくださいました。

      そして私の演奏が続きます。
      その頃はかなり身体が冷えて
      きました。
      彼女の歌を挟んでの私の
      プログラム後半!
      考えてみれば
      ピアノ・リサイタルの前の
      水中ウォーキング!
      そしてリハーサル無し、
      休憩無し…
      これは「サバイバル!」

      でも救われたのは
      イタリア人はとにかく楽しい。
      いえ、楽しむことを知っている!
      最後のザウワー作曲の
      「コンサート・ワルツ」の時は
      皆さまとても楽しそうに、身体を
      揺すって踊りだしそうでした。
      私は
      13世紀の建物の中でそこに集う
      貴族たちが舞踏会を愉しんでいる…
      ような妄想の中の演奏でした。

      終了後、お客様から私の演奏へな
      ご感想をいただきました。
      今回のコーディネーターの
      ジョバンニ氏は彼自身素晴らしい
      ピアニストですが、彼は
      「とにかく美しい音だ。
      リハーサル無しでよくやった!」
      ご高齢のご婦人がそばに来て
      「ピアノの音に聞こえなかった」
      通訳して貰って血が引きました(笑)
      え〜〜〜っ?
      「オーケストラが鳴っているよう
      だったわ。特にベートーヴェン!」
      一番嬉しい評価でした。
      スタッフと一部のお客様とご一緒に
      シャンパンで乾杯!
      有り難い時間でした。
      山季布枝 * 山季の気まぐれブログ * 23:15 * - * - * - -

      ヴェニスでのコンサートその1

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        既に綴ったように、50年ぶりの
        ヴェニスのアックア アルタ。
        正直、150センチ越えの水量が
        ヴェニスの市中にとってどのような
        ものなのか、こればかりは
        いくら私をご心配いただいても
        私自身が現状を見なければ
        分からないことでした。

        実はロンドンのプログラム演奏後、
        「翌朝、ヴェニスへ行き、
        明後日リサイタルを開催します」
        との旨をお客様お話しすると
        「水泳用ゴーグルを用意したら?」
        とのお声が…
        それがどういう意味かも分からず
        笑うことすら出来ませんでした。

        しかし、現地に到着して
        「こういうこと…」と納得の現実が
        目の前に広がっていました。

        最高潮位のときは、
        水上タクシーも水上バスも
        運河の停泊所に船をつけられず…
        海上を旋回。
        要するに、
        飛行機が滑走路に着陸出来ず、
        しばらく旋回して待機するように
        船も海上で水位が下がるのを待つ、
        もしくは
        停泊出来る場所が見つかるまで
        洋上を旋回して待つ…
        船を岸につけたくても
        停留所が水面より低いのですね。
        それを実際に目にしないと
        分かりませんでした。

        私より2日前にヴェニス入りした
        今回の仕事の斡旋してくれた友人は
        何とか停泊所で下船したものの
        コロコロ引きずるスーツケースは
        当然のことながら浸水し
        大変な思いをしたそうです。

        おかげさまで私の到着日は
        予報では水位138センチ!
        長靴では意味がないので、
        お迎えの知人に以下の写真の
        オーバーシューズを
        お持ちいただきました。
        ちょっとサイズが大きく
        歩いてみたら…辛かった(苦笑)








        これをもっと上まで伸ばします。
        靴の上から履くのですが、
        これがまた歩き難い!
        それに濁った海水の中を歩くので
        何かに引っかかってこのビニルが
        切れたら…悲劇!
        というわけで、
        そろ〜りそろ〜りと水中を歩く!
        プールの水中ウォーキングが
        かなりのトレーニングであることを
        身をもって体験!

        本当に水位が100センチを越えたら
        歩く…より
        泳ぐ…でしょうね。
        それもゴーグル付けて…(爆笑)

        そして翌日(コンサート当日)の朝、

        窓の下を眺めてはため息をつく…
        なぜなら
        ヴェニスは自転車もバイクも
        当然のことながら車もない。
        移動は船か歩き!
        窓の下は石畳みの小路です。
        人の歩く靴音が聞こえてくるはず
        …が、バシャ〜バシャ〜
        という音しか聞こえないのです。
        小路を歩く人たちは、水の抵抗に
        抗いながらゆっくり歩いています。

        下の写真、
        これは川ではありませんよ。
        普通の小径です。






        この後、水はどんどん増しました。
        コンサートを企画してくれた
        ジョバンニさんたちととことん
        相談!
        結局、私のコンサート開始時間は
        11時半から16時半に変更。
        少しでも潮が引いてから…と。
        「いやいや、この水位では
        いくらなんでも中止でしょう?」
        との私の意見は彼らには通じず…
        「1人でもお客様がいらしたら
        演奏する!」と決めました。

        今日の演奏会場は
        13世紀の貴族の館。
        歩いて30分ほどで着くな…
        の思いで支度!

        その2に続く



        山季布枝 * 山季の気まぐれブログ * 23:55 * - * - * - -

        ロンドンでのリサイタル

        0
          第4回目となったロンドンでの
          リサイタルも無事終わりました。

          マネージャーのグレンさんの
          うっかりミスで、
          11月15日夜のコンサート枠を
          ダブルブッキングしていたことが
          7月に判明したのです。
          1年前に契約書にサインしたのに…

          私の契約は11月15日の夜の時間。
          もう一方の出演者は14〜15日の
          両日で成し得る演目だったために、
          私がその日を譲った方が良いと
          判断しました。
          その件が発覚したのは、
          ヴェニスでのリサイタルが
          11月17日に決定してしまった後で、
          飛行機のチケットも購入済み。
          グレンさんは、
          「エアチケット代を出すから
          他の日に変更して欲しい」
          とまでお申し出くださいました。
          日本を留守にする時間も考え
          日にちは変更せずに、同日に
          アフタヌーンコンサートを開催
          してみようと思いました。
          ところがその後、山季のお客様は
          皆さん、口を揃えて「昼は無理!」
          そんな私の事情を知って、
          グレンさんは彼の熱意でお客様を
          お集めくださり、当日は満席。
          有り難い限りです。
          本当に素晴らしいマネージャーで、
          私はチケットフリーで
          (その代わりに完全予約制)
          開催しました。

          ロンドンのリサイタルでも
          必ず短いスピーチを混ぜますが、
          やはりお昼間のお客様の雰囲気は
          夜のお客様と違い、硬いのです。
          最前列にはお二人の金髪銀髪の
          老婦人がお座りでしたが、
          このお二人が曲者…(苦笑)
          鼻水をずーっとすすったり、
          ティッシュを鞄から取り出すにも
          ワサワサ…ジャリジャリ…。
          そのうち小声でしゃべって…。
          演奏にどうにも集中できず。
          彼女らの後ろにお座りのお客様も
          堪えていらっしゃるようでした。

          前半のプログラム
          J.S.バッハのフランス組曲第6番
          L.v.ベートーヴェンのテンペストを
          弾き終えたものの
          少し気落ちして楽屋に引き上げ…
          後半はどうしようか…
          心配しても変えようもないから
          go!go!Let’s go!!!

          後半はメンデルスゾーン=リストの
          「歌の翼」からスタート。
          馴染みあるメロディから開始。
          それが功を奏し、客席の雰囲気が
          とてもリラックスしました。
          最前列のご婦人たちもニコニコして
          お座りでした。
          それに、私が集中したからか?
          あちらがお慣れになったのか
          ゴソゴソガサガサも無く!
          不思議です。

          最後の曲はザウワーの
          「コンサート・ワルツ」。
          あらら…お客様がノリノリ♪
          多分ご存知の無い曲なのに、
          とても楽しそうでした。
          アンコールになって入場した方が
          数名いらしたので、
          これは直ぐには終われない!
          などという気持ちも手伝って
          前半とは大違いの気分になり
          予定にはない曲数のアンコールを
          演奏させていただきました。
          マネージャーさんもビックリ。

          楽屋に戻って関係者たちに
          言われたことは
          後半は心が湧き上がるような
          気持ちになった。
          お客様の気持ちを
          ガブっと掴んだようだった。
          次回は前半からこのような
          お客様の心を鷲掴みするような
          プログラムに!
          と。

          有り難いことでしたが、
          それはそれで…(苦笑)

          楽しかった、来てよかった…
          というご感想を頂戴し、
          ただただ感謝の山季です。



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          山季布枝 * 山季の気まぐれブログ * 18:40 * - * - * - -

          帰国しました。

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            10月末からブログをアップして
            おりませんでした。
            皆さまからメールやお電話を頂戴し
            心苦しく思っておりました。

            おかげ様で2016年から毎年
            開催させていただいております
            ロンドンでの演奏会と、
            本年、新しくご縁をいただいた
            演奏会の場所はヴェニスでしたが
            その両方の演奏会を無事に終えて
            帰国しました。
            例年より1週間ほど遅い時期で、
            温暖化の影響で北半球は
            どこも11月上旬まで暖かく、
            10日過ぎに突然寒くなったためか
            殊の外厳しく感じました。

            イギリスも大雨が続き、
            BBCニュースでは英国内各地の
            水害の様子を実況していました。
            日本だけではないのだなぁ、と
            知りました。

            それよりも!!!
            ヴェニスではアックア アルタ
            (高潮による水位上昇)の時期だとは
            承知の上でしたが、11月12日夜、
            過去50年で最高水位の高潮を記録!
            と世界中に配信されたものだから
            実にたくさん方々から
            お見舞いメールをいただきました。
            ご心配いただき、
            ありがとうございました。

              *潮の監視センターによると、
            今回の「アクアアルタ
            (Acqua alta、イタリア語で
            高潮の意味)」の水位は最高で
            187センチに達し、記録がある
            1923年以降、1966年の194センチに
            次ぐものとなった。*


            その様な歴史的な記録をいくら
            聞かされても、あの大水の中を…
            あれは実体験しなければ
            分かりません(爆笑)

            これから数回に分けて
            今年の演奏会のご報告いたします。
            先ずは、無事に帰国いたしました。

            山季布枝 * 山季の気まぐれブログ * 17:00 * - * - * - -
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